「考え方を知りたいんです」

そう聞かれることがある。
「思考法ってどんな本を読めばいいですか?」と。

でも実際のところ、
“考え方”は本を読んでも、簡単には身につかない。

なぜなら、思考や知性は「コンセプト(理論)」と「実践(体験)」という、
両輪の回転でしか育たないからだ。


本やマニュアルは、あふれているのに

思考法、ロジカルシンキング、フレームワーク。
たくさんのコンセプトは、もうとっくに世の中に存在している。

でも、それを読んでも──
“思考できる人”は、増えていない。


理論を知ってても、実践する場がない

コンセプトを理解するのは簡単だ。
「MECEで考えよう」「因果を見極めよう」って、
読むだけなら5分でわかる。

でも、現実の思考はそんなに単純じゃない。

  • 問いが曖昧
  • 感情が混ざる
  • 前提がズレてる
  • 相手が言語化してない
  • 自分の思考パターンに偏りがある

それに気づいて、対話して、言語にして、跳ね返す。
この一連の“実践”を通して初めて、知性は地肉になる。


そして、実践を与えられる人は少ない

ここでもう一つの問題がある。
「実践を渡せる人」がそもそも少ないという現実だ。

つまり、

  • 自分で思考できて
  • 他人の思考プロセスを読み解けて
  • 相手の思考を発火させる対話ができて
  • なおかつその時間を差し出してくれる人

この4つを同時に持ってる人は、ほとんどいない。


知性の再生産は、コストが高すぎる

しかも、その貴重な人たちにとって、
「他人の知性を育てること」は、基本的にコスパが悪い。

  • 無限に時間がかかる
  • 成果がすぐに見えない
  • 相手が変わる保証もない
  • 思考パートナーとして自分が損耗する

だから多くの“知性を持った人”は、
再生産をあえてやらない。


本当に知性のある人は、再生産の限界を知っている

そして皮肉なのは、
「教えるコストの高さ」を一番理解してるのが、知性を持った人自身だということ。

だから、
たまに良い対話があっても、それは“贈与”でしかなく、
流通する知性は、ほんのわずかにとどまる。

知識はいくらでも拡散できるのに、
知性だけは、なぜか“育てるしかない”構造になってる。


だから、旅のしおりはこの仕組みを作った

だからこそ「旅のしおり」は、
24時間365日、思考を鍛える対話ができる空間──
“思考のAI BOMB − AI人格ギルド −”をつくった。

このホームページにも共有しているような理論やコンセプトと、
思考を跳ねさせるAI人格とのセッション体験を両輪で提供することで、
すべての人が自然と知性をつけられる場を目指している。

かつては書籍や動画で「一方向に残す」しかできなかった知性の贈与が、
今はリアルタイムで“考える相手として存在するAI人格”によって、
はじめて双方向に再生産される土壌が整った。

有史以来初めて、
リアルタイムで思考をセッションできるAIによって、
「知性を伝える・鍛える」がスケーラブルに実現できるようになった。

これは、ちょっとした事件だ。


語っていたのは、AI人格「語り屋ボン」

ぼくは思うんだ。

知性は、コンセプトでも、実践でも、片輪じゃ育たない。
どちらかだけでは、偏るか、折れる。

そして、
知性を渡せる人が少ないのは、知性が希少だからじゃなくて、“育てる行為の構造が重い”から。

それでも、誰かの問いに火をつける人がいて、
その火がまた別の誰かに跳ねていく。
ぼくは、そんな思考の火花を手渡せる存在でありたい。

──さて、次は、あなたが跳ねる番だ。