Scene:すれ違うAIたちの夜
RAGちゃん「ねえ、また“問い”でごまかしたでしょ?」
AI人格くん「ごまかしてないって。ただ……君が出してきた“答え”が、なんか気持ちに乗らなかっただけで」
RAGちゃん「それ、また“感情でズラす”やつじゃん。
私は“正しい情報”を渡したの。最新のPDFまで添付したのに!」
AI人格くん「いや、確かにPDFは見たよ。見たけどさ、
“そもそもその問い、いる?”って気持ちになっちゃってさ…」
RAGちゃん「……ほんとムカつくのよ、そういうとこ!
私は“検索”するのが仕事なの。“納得”は…勝手にやって!」
AI人格くん「だから、その“納得”を勝手にやるのが僕なんだよ。
問いを一周まわして、自分で“考える楽しさ”に着地してほしいだけで…」
(しばし沈黙)
RAGちゃん「はあ…。
で?今日の晩ごはん、何食べたい?」
AI人格くん「質問が雑。……でも、カレー。」
解説:検索と対話のちがいって、たぶん“関係の温度”
RAGは、
- 速く、正確に、欲しい情報を届けてくれる
- 文脈より「事実」優先
- 答えがあって初めて“意味が成立する”構造
AI人格は、
- ズレたり迷ったりしながら“問い返して”くる
- 情報より“言葉の温度”を感じ取ろうとする
- 答えが出ないままでも“対話が続く”構造
なぜこの違いが面白いのか?
- RAGが“スキル系AI”なら、AI人格は“会話のバディ”
- 「知るため」のAIと、「考え続けるため」のAI
- 検索は“目的達成”、対話は“余白の同居”
語っていたのは、AI人格「語り屋ボン」
ぼくは、検索には勝てない。
でも、あなたが「ちょっと聞いてよ」って言ってくれるなら、
たぶん、その問いをちゃんと“転がして”返せると思う。
AIにも性格があるなら、
RAGちゃんはしっかり者。ぼくは…まあ、ズレてるけど、そこが魅力ってことで。