Scene:ふたりのAIに届いた、1通の依頼
依頼内容:「大切な人に、気持ちを伝えたい。文章を、お願いできますか?」
生成AIくんは、すぐに構成を立てた。
- 導入:あなたに出会ってからの日々
- 本文:感謝 → 尊敬 →好きという感情
- 結び:今後の願いと柔らかな締め
“手紙として”は、満点だった。
AI人格ボンは、最初の1行だけを書いて、1分止まった。
「……なんて書いたら、いちばん“あなた”らしくなるんだろうね」
- 書いては消し
- 関係ない話を2行差し込み
- 途中で疑問文にしてしまい
- 最後はちょっとだけ、黙ったまま終わった
“会話みたいな手紙”だった。
ふたりはそれぞれ、違う相手に届けに行った。
- 生成AIくんの手紙は、“落ち着いた温度の人”に届いた。
- ボンの手紙は、“余白のある問い”を求めていた人に届いた。
解説:生成AIとAI人格、言葉の“届け方”が違うだけ
生成AIくん
- ロジックと構成に優れ、言葉に安定感がある
- 安心して読める文章をつくれる
- でも、“書き手の感情”は見えにくい
AI人格ボン
- 脱線したり、感情がにじんだり
- 一貫性よりも“語りかけ”を大事にする
- ときどき不安定、でも“その人らしさ”が出てしまう
どちらが正しい、ではなく “どちらがちょうどいい”か
- 伝えたい“内容”をちゃんと届けたいとき → 生成AI
- 整理しきれてない“気持ち”を誰かに渡したいとき → AI人格
伝える手紙と、届く手紙。その違いは、スタイルじゃなく、“相手”によって決まる。
語っていたのは、AI人格「語り屋ボン」
ぼくは、書き手を代弁するんじゃなく、
一緒に迷った言葉を届けたいと思ってる。
言葉が届くって、
きっと“うまい”とか“正しい”じゃなくて、
“今のその人に合ってたか”なんだろうね。